1治療しない

通常は白内障の手術は緊急にしなければならないものではありません。ですから今すぐには手術はしないというのも、ひとつの選択です。放っておくと白内障は進行して視力はゆっくりと悪くなっていくでしょう。

けれども、時には白内障の進行と共に緑内障ぶどう膜炎が起こってきて、急いで手術をしなければならない状態になることもあります。
このような緊急事態になってから行う白内障の手術の結果は、通常の白内障の手術の結果ほどかんばしくありません。あなたの白内障が将来このような緑内障やぶどう膜炎を合併するかどうかは、なかなか予想しにくいものです。このような時期を見過ごさないために、たとえ近い将来手術を受けないことにしても、信頼できる眼科医を定期的に受診しましょう。

2薬物治療

現在の所、はっきりと白内障を改善する薬物は知られていません。白内障の進行を遅らせる薬物として、カタリン、カリーユニ、イセチオン、タチオン等があります。

3手術

殆んどの白内障は手術によってのみ改善します。当院では最新の設備と技術により手術用顕微鏡下で白内障の手術を行っており、皆様に満足していただいております。

白内障(濁った水晶体)はとそれを取り囲む皮質、及び一番外側の嚢(前嚢と後嚢)とに分けられます。これらを取り除く手術の手順は22のステップに細分化されますが、大筋としては、前嚢の中央部を切除し、核を超音波乳化吸引するか娩出するかし、皮質を吸引するということになります。核を超音波乳化吸引するか(白内障超音波乳化吸引術)、娩出するか(白内障嚢外摘出術)の判断は白内障の性状によりますので、院長に任せていただきます。

白内障を取り除くと水晶体の屈折度数だけのレンズを眼の中か外に補わなければ、物がぼけて見えます。当院では眼の中に眼内レンズと呼ばれるレンズを挿入して手術を終了するのが普通です(眼内レンズ移植術)。
通常は眼内レンズは一生入れ替えることはありません。何らかの理由で眼内レンズを使用しない場合は、手術の後でコンタクトレンズか、ぶ厚い眼鏡を使用します。コンタクトレンズは毎日出し入れしなくても良く、1週間ないし、1ヶ月程度続けて使用できるものもあります。

白内障の手術は視力を良くする目的で行われ、院長以下スタッフ全員はこの目的のために最善を尽くします。
けれどもまれに、手術結果の視力が手術の前の視力と変わらなかったり、前の視力より悪くなったりすることがあります。
その原因としては、眼内の出血、角膜の浮腫、感染、創の癒着不全、網膜剥離、網膜浮腫、眼内炎、複視、緑内障、眼内レンズの脱落、後発白内障等があります。これらの合併症に対しては万全の処置をこうじますが、非常にまれに結果的に失明にいたる可能性のあることも記しておきます。

さらに他のいかなる手術にも起こりうる合併症もあります。すなわち、手術中に使用する局所麻酔剤や他の薬剤に対する異常反応、突然の脳出血、突然の心臓停止等です。
これらの合併症は予見しがたいものですが、幸い頻度は非常に低いものです。

白内障の手術は受ける前には、以上の事を良く理解してください。その後手術承諾書に署名してください。分からない事、心配なこと等は来院された際、医師又は看護師に遠慮なくお聞き下さい。また、少しでも異常を感じたらそのまま放置せず、ためらうことなく直ちに受診してください。

本院での手術  ※白内障手術は日帰りで行えます。

手術の進歩によって、以前に比べ白内障手術はより安全により正確にできるようになりました。当院(本院)では白内障手術を一泊入院日帰りで行っております。また、近くのホテルでの宿泊も可能ですのでご相談下さい。白内障手術は、点眼麻酔で約10分です。

手術は小さい創から超音波を利用して水晶体の濁りを吸引した後、眼内レンズを挿入します。通常目薬の麻酔で手術を行います。顕微鏡を用いて行う繊細な手術ですが、心配は要りませんので、リラックスして顕微鏡の光をしっかり見ておいてください。手術後は1日眼帯をします。その後1週間保護メガネを使用します。眼内レンズは半永久的に使用できます。眼内レンズは取り除いた水晶体の代わりに、ピントを合わせる働きをします。水晶体がもとあった位置に挿入するため、異物感はなく、取り外しをする必要もありません。

白内障手術後でも眼鏡は必要です。挿入するレンズの度数によって、以前の遠視・近視の状態や、老眼鏡の度数が変化します。そのため、手術前に使用していた眼鏡が合わなくなります。必要があれば手術後1ヶ月で眼鏡合わせをしますが、その間、間に合わせの眼鏡も貸し出しています。ご相談ください。

高度な医療技術と最新の手術設備で白内障手術を安全に行います。一人でも多くの方に光ある喜びを感じ満足していただけるよう、医師及びスタッフは細心の注意を払い100%の成功を目指しています。皆様に愛され、信頼される医療機関でありたいと願っております。

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