ICLを使用した近視矯正手術とは

ICL(アイシーエル)は、ソフトコンタクトレンズのような柔らかいレンズ(ICL)を目の中に挿入することで、近視・乱視を矯正する手術です。眼の中にレンズを入れるため、ハードコンタクトレンズのように日常生活でレンズが外れることもなく、物が入っている異物感も全くありません。また、レンズは茶目(虹彩)の後ろに入れるので、周囲の方にレンズが入っていることはわかりません。矯正できる度数の幅も広く、強い近視や乱視の方にも適した手術です。

*ICLは厚生労働省から高度管理医療機器として認可されています。

ICLの特徴

①鮮やかな見え方

見え方の質(コントラスト感度)の低下が少なく、鮮やかな見え方を実感できます。

②強度近視や角膜の薄い方も適応

レーシック手術とは異なり、角膜を削る必要がないので、強度近視や角膜が薄い方も矯正できます。

③手術による負担が少ない

レンズ(ICL)を小さく折りたたんだ状態で眼内に挿入できるため手術による切開創は約3㎜と大変小さいです。そのため、目にかかる負担が少なく日帰り手術を可能にしています。

④安全性の高い素材

コラマー(Collamer)と呼ぶ生体適合性にすぐれた素材を使用しているため、安全性が高いです。

⑤紫外線をブロック

レンズに紫外線吸収剤が含まれているため、紫外線を防ぐことができます。

⑥もしもの時に対応できる

ICLはレンズを取り出すことができます。将来、白内障など目の病気になった場合もレンズを取り出せるので治療の選択肢が狭まることはありません。

手術方法

手術は30分程度と短く、日帰り手術です。点眼麻酔をしての手術なので眼の痛みもありません。
3㎜と小さい切開口からレンズを挿入することができるので回復が早いです。手術した直後から見え始めるのもICL手術の特徴の1つです。

ICLに向いてる方、適応のある方

ICLに向いてる方
  • 強度の近視・乱視、左右の視力差があるため、メガネでの視力矯正が難しい方
  • 角膜が薄いためにレーシック手術を受けることができない方
  • ドライアイやアレルギー性結膜炎などのため、コンタクトレンズが使用できない方
  • コンタクトレンズやメガネにわずらわしさを感じている方
  • スポーツをするため、現在使っているコンタクトレンズやメガネでは不便な方
  • 地震などの災害時の避難に際し、今の視力では不安を感じる方
  • 現在の視力では、希望する職業につくことができない方
ICLに適応のある方
  • 20歳以上
  • 40歳以下の老眼年齢ではない方
  • 近視の強さを表す屈折値(D:ジオプター)が6D以上の高度近視
    *15Dを越える最強度の近視や3D以上6D未満の中等度の近視に対しては慎重に適応を検討します
  • 近視の度数が1年半以上安定していること
  • 白内障・緑内障・糖尿病網膜症・ブドウ膜炎・進行性の円錐角膜などの病気がないこと
  • 傷の治りに影響するような重症な糖尿病やアトピー性疾患がないこと
  • 妊娠中・授乳中ではないこと
  • 前房深度(角膜後面から水晶体までの距離)が2.8mm以上ある方

ICLの費用

自由診療   両眼 : 乱視矯正なし  600,000円(税込)   両眼: 乱視矯正あり 660,000円(税込)

ICLの主な合併症

ICL手術は安全性の高い手術です。しかし、合併症のリスクはゼロではないので、起こりえる合併症を正しく理解する必要があります。

以下に主な合併症について説明します。

・ハロー・グレア

夜間や暗いところで光を見た際に、光の周りににじんだ輪が見えるハローやギラギラとまぶしく見えるグレアの症状が出ることがあります。ホールICLの場合、多くの人が手術後に光の輪が見えるレンズ特有の現象を感じます。ただし、術後1~3か月で、気にならなくなる方が多いです。

・白内障

眼内レンズの真ん中にごく小さな穴をあけたホールICLが開発されてからはほとんど発生しなくなっています。

レンズ偏位

外傷などが原因で、レンズがずれることがあります。この際は手術でレンズを元の位置に戻します。

レンズの入れ替え

眼内レンズと水晶体の間隔が狭すぎたり、逆に広すぎたりした場合、手術後に過矯正あるいは低矯正になった場合などにも、サイズや度数の違う眼内レンズに入れ替えるための再手術が必要になることがあります。

・緑内障

瞳孔ブロックによる高眼圧が引き金となり、緑内障を引き起こすことがあります。ただし、ホールICLになってからは起きることはごくまれです。

▲このページの先頭へ